メトロポリタン美術館やグッゲンハイム美術館をはじめとする、数多くのアメリカの美術館の教育プログラムの顧問、全米芸術基金の委員や財団およびアメリカ州政府関連機関の顧問を務める。その活動は、アメリカ美術教育協会から功労賞やニューヨーク州から州知事賞を受賞するなど、多くの文化機関から高い評価を受けている。現在も、世界各国でのレクチャーおよびワークショップを行なっている。MoMA教育部長であった1980年代、アートを通じ鑑賞者・学習者の「観察力」「批判的思考力」「コミュニケーション力」を育成する教育カリキュラムの開発を主導。同カリキュラムは、ヤノウィンが創設したNPO法人VUEにて研究展開されているヴィジュアル・シンキング・ストラテジー(VTS)に引き継がれ、現在に至る。
コロンビア大学大学院で美術教育学を学んだあと、ニューヨーク近代美術館(MoMA)にて研修。90年代はじめより、アメリカで唯一の日本人インディペンデン ト・キュレイターとして活躍。日本の美術関係者を対象に、鑑賞教育の必要性とその基礎を説く講座をMoMAと共同で開催するなど、作品と鑑賞者のコミュニケーションの重要性を唱えてきた。2004年度より京都造形芸術大学にて、対話型鑑賞法を体系的に学び実践する日本の大学では唯一のカリキュラム、アート・コミュニケーション・プロジェクト(ACOP)を研究展開。同分野において世界で注目されているアメリア・アレナスを日本に紹介し、アレナスの著書「なぜこれがアートなの?」を翻訳出版する。その他、主に現代写真の展覧会を、日米およびヨーロッパにて多数企画。「美術館ものがたり」「Man Ray: Unconcerned But Not Indifferent」「Heavy Light: Recent Photography and Video from Japan」他、著書やカタログを多数出版。
古生物学および実践生涯学習学の専門家。文部科学省生涯学習政策局委託事業「三葉虫を調べよう~大学博物館でつける仮説から検証への科学的考え方の基礎的能力~」(2002~03年)。同「二枚貝を調べよう」の開発・実践(2003~04年)などの活動を通じ、理科教育の現場における鑑賞教育を実践している。館長を務める京都大学総合博物館でも、鑑賞者の「?」から「!」を引き出すプログラムを展開している。
臨床心理学、コミュニケーション論の専門家。みる人の間にコミュニケーションを喚起するものとしての「アート」のあり方を、ワークショップなどを通じた心理学的アプローチから研究している。研究ノート「鑑賞教育プログラム『ACOP』考」(京都造形芸術大学紀要,2008)。共著「石の上にも三時間-標本をじっくり観察できるようになるためのプログラム-」(『理科教室』670号,2010)
V市バス5系統「上終町京都造形芸大前」停留所下車すぐ または叡山電鉄叡山線「茶山駅」より東へ徒歩10分
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